この記事でわかること
FAXやメールで受けた注文をEC-CUBEへ手入力すると、注文を受けた日とシステムに登録した日が異なることがあります。本記事では、受注登録画面の注文日を入力できるようにしたカスタマイズ事例と、帳票・CSV・集計への影響を踏まえた設計の確認点を紹介します。
注文日を入力できるようにするときは、「どの日付を注文日とするか」と「登録・変更の記録をどう残すか」を一緒に決めます。入力欄を追加するだけでなく、その日付を使う画面や外部システムまで確認することが大切です。
注文を受けた日と、システムに登録した日は異なる
例えば、9月30日にFAXで届いた注文を、10月1日に管理画面へ入力する場合です。注文を受けた日で管理したい業務では9月30日、入力作業を確認したい業務では10月1日という情報が必要になります。
どちらか一方だけにすると、問い合わせや月次の確認で意味が曖昧になることがあります。まずは、受注に関係する日付を用途ごとに整理します。
| 日付・日時 | 何を表すか | 確認する用途 |
|---|---|---|
| 業務上の受注日 | 注文を受け付けた日。FAX到着日など、採用する基準を決める | 受注件数の集計、取引先との照合 |
| システムへの登録日時 | 受注データをシステムに作成した日時 | 入力作業の確認、登録遅延の把握 |
| 更新日時 | 受注データが更新された日時 | 変更の検知。何を変更したかは別途確認 |
| 入金日・出荷日・納品日など | 受注後の各業務で発生する日付 | 入金・出荷の確認、取引先への案内 |
この表は業務上の整理で、すべてがEC-CUBEに同じ名称の標準項目として存在することを示すものではありません。実際のデータ項目との対応は、利用中の環境で確認します。
また、取引先の注文書に記載された日付と、自社が受信した日付が異なる場合もあります。どちらを受注日として扱うか、締切時刻を過ぎた注文をどう扱うかも揃えておきます。
EC-CUBEの標準受注登録と注文日の扱い
EC-CUBE 4系には、電話やFAXなどの注文を、管理者がお客様に代わって登録する「受注登録」機能があります。Webサイトからの注文とは別に、社内で受けた注文を管理画面へ入力できます。
確認したEC-CUBE 4.3.1-p1の標準コードでは、受注編集画面の注文日は表示項目で、注文日が未設定の新規受注を登録する際に現在日時が設定される構成です。そのため、別の日付を注文日として指定したい場合は、入力項目と保存処理の対応を検討します。
バージョン、プラグイン、既存のカスタマイズによって仕様は異なります。導入前には現在の画面だけでなく、日付が保存される処理も確認します。
参照:EC-CUBE公式マニュアル「受注登録」、公式ソース:受注編集画面(4.3.1-p1)、公式ソース:受注フォーム(4.3.1-p1)
注文日を入力できるようにしたカスタマイズ事例
サンクユーでは、管理画面で受注情報を登録する際に注文日時を指定したいという要望に対し、注文日を入力項目に変更しました。以下は過去の個別実装の画面です。上記で確認した標準コードと同じバージョンの画面とは限りません。
表示項目だった注文日を入力欄に変更する
受注登録画面の注文日を、担当者が入力できる項目に変更しています。これにより、FAXやメールなどで受け付けた注文を、業務上必要な注文日時を指定して登録する使い方ができます。

カレンダーから日付を選択できるようにする
注文日の入力欄にカーソルを合わせると、カレンダー形式の入力補助が表示されます。画像では日付の選択と、時刻を扱うためのアイコンを確認できます。

新規登録時に指定するだけでよいか、登録済み注文の修正も許可するかは別に決めます。過去日・未来日の入力制限、変更権限、変更履歴、外部システムへの再連携は、導入時に確認する事項です。掲載画面だけで、これらすべてを実装済みとするものではありません。
注文日を使うか、受付日を別項目にするか
実際に受注した日を管理する方法は、既存の注文日を入力可能にする方法だけではありません。既存の注文日を現在の用途で使い続け、FAX・メールの受付日などを別項目として持つ方法もあります。
| 方法 | 適する考え方 | 確認すること |
|---|---|---|
| 既存の注文日を入力可能にする | 注文日を業務上の受注日として統一したい | その項目を参照する検索・帳票・集計・連携への影響 |
| 受付日を別項目として追加する | 既存の注文日と、FAX・メールの受付日を別用途で使いたい | 入力画面、検索条件、CSVや帳票に追加する範囲 |
いずれの場合も、システムに登録した日時は、入力作業の記録として区別できるようにします。業務上の受注日を合わせるために、実際のデータ作成日時まで書き換える運用にはしない設計を検討します。
また、注文日を過去に変更しても、その時点でデータが登録されていたことにはなりません。後から入力した受注であることを追えるよう、登録日時や元の注文書との対応を残しておくと確認しやすくなります。
日付だけでよいのか、時刻まで必要なのかも整理します。時刻が分からない注文に一律の時刻を設定する場合は、実際の受付時刻と誤認しない扱いを決めます。
検索・帳票・受注CSV・集計への影響を確認する
注文日は、管理画面の表示以外でも使われます。EC-CUBE 4系の公式マニュアルでは、受注検索の条件に注文日、受注CSVの項目に受注日が掲載されています。変更対象の日付項目と、それぞれの機能が参照する値を確認します。
- 受注一覧の期間検索・並び順で、どの日付を使用しているか
- 納品書・受注明細書・注文確認メールなどに、どの日付を表示するか
- 受注CSV・APIで、業務上の受注日と登録日時を区別して渡せるか
- 日別・月別の集計で注文日を使う場合、変更前後で対象期間が変わるか
- 連携済み注文の日付を直したとき、基幹システムにも修正を伝える必要があるか
- 発行済み帳票や送信済みメールと、変更後のデータをどう照合するか
例えば、「前日が注文日となっている受注だけ」を毎日抽出する連携では、今日登録した過去日付の受注を取りこぼす可能性があります。登録・更新日時や連携状態も利用するなど、後から入った注文を拾える方法を検討します。
更新日時だけを使って再送する場合も、連携先で同じ注文が重複登録されないよう、注文を識別する番号と更新方法を合わせて設計します。
注文日を変更したからといって、決済代行側の取引日時や会計システムの計上日、出荷日などが同じように変更される前提にはできません。各日付の用途と処理を分けて確認します。
入力・変更のルールと、相談前の準備
誰でもいつでも注文日を変更できる構成にすると、締めた集計や出力済みデータとの照合が難しくなることがあります。日付を指定する理由と、修正が必要になる場面を整理しておきます。
- FAX到着日、メール受信日、受付確定日など、注文日の基準を決める
- 新規登録時の指定と、登録後の変更で権限や条件を分けるか決める
- 過去日・未来日・未入力の扱いと、保存時の入力チェックを確認する
- 変更前後の値、変更した担当者、日時、理由を残す範囲を決める
- 締め処理後や外部連携後に、修正を受け付ける手順を決める
- CSV・API・データ移行でも、同じ日付の定義と入力ルールを使う
例えば、翌月の配送を希望する注文は、受け付けた日と配送希望日を区別します。未来の出荷予定を表すために注文日を使うと、受注期間の検索や集計で意味が変わってしまうためです。
ご相談時は、EC-CUBEのバージョンと関連プラグインに加え、「いつ届いた注文を、いつ登録し、どの日付で管理したいか」という具体例、利用中の帳票やCSVをご用意ください。費用は、入力欄の変更だけか、別項目・履歴・権限・外部連携まで必要かによって変わります。
サンクユーでは、受注業務の整理からEC-CUBE構築・カスタマイズ、BtoB-EC構築までご相談に対応しています。
EC-CUBEの注文日入力・変更に関するよくある質問
EC-CUBEで注文日を手入力できるようにできますか?
サンクユーでは、管理画面の注文日を入力項目に変更し、カレンダーから日時を選べるようにしたカスタマイズ事例があります。新規登録時だけ入力するか、登録済み注文も変更できるようにするかは、利用環境と業務ルールに合わせて確認します。
標準の受注登録では注文日を自由に入力できますか?
確認したEC-CUBE 4.3.1-p1の標準コードでは、注文日は表示項目で、新規受注の登録時に日時が設定される構成です。バージョン、プラグイン、既存改修によって異なるため、現在の画面と保存処理を確認して対応方法を判断します。
FAXやメールを受けた日と、システムに登録した日は分けられますか?
業務上の受注日とシステムへの登録日時を区別する設計は可能です。注文日としてどの日を扱うか、受付日を別項目にするか、どの日時を記録として残すかを決めます。掲載事例で受付日や変更履歴の別項目まで追加したという意味ではありません。
注文日を変えると納品書や受注CSVにも反映されますか?
変更した日付項目を参照する出力には影響する可能性がありますが、帳票やCSVの構成によって異なります。対象のテンプレートと出力項目を確認し、再出力結果を検証します。発行済みPDFや、外部システムへ取り込み済みのデータの扱いも別途決めます。
過去の日付や未来の日付を入力できますか?
入力を許可する範囲は業務ルールに合わせて設計します。過去の受付分を登録する場合の期限、締め処理後の修正、未来日の扱いなどを決め、保存処理でも確認します。予約の希望日や出荷予定日は、実際の受注日と別に扱うことを検討します。
注文日入力のカスタマイズを相談する際に何が必要ですか?
EC-CUBEのバージョン、関連プラグイン、注文日を入力・変更したい理由と具体例をご用意ください。注文日を使う帳票・CSV・集計・外部連携の一覧、変更を許可する担当者や期間もあると、改修範囲を整理しやすくなります。
EC-CUBEの注文日入力・受注管理をご相談ください
FAXやメールで受けた日を注文日として登録したい、登録日時と分けて管理したい、帳票やCSVの日付を揃えたいなど、現在の運用をお聞かせください。日付の用途と影響範囲を確認し、必要な改修を検討します。
投稿者プロフィール
- サンクユーのEC-CUBE担当。15年以上にわたりEC-CUBE開発に従事し、2系・3系・4系すべてに精通。難易度の高いカスタマイズや、他社構築サイトの改修・再設計も多数対応しています。
Javaでの業務システム開発を起点に、PHP・Perl・フロントエンド・CMSまで横断的に対応。基幹システム連携や業務フローを踏まえた設計を得意とし、複雑な要件にも柔軟に対応可能です。
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